はじめに

世の中には、電源を供給してHDMI端子に繋ぐことでディスプレイに色々表示してくれる「ストリーミング端末」と呼ばれるジャンルの機器があります。 ただし、「ストリーミング端末」という用語はあまり浸透しておらず、もっぱら製品名で呼ばれることが多いです。 例えば、「Chromecast with Google TV」「Fire TV Stick」「Apple TV」などです。

ところで、これらの機器はそれぞれ特徴があるため、どれか1つを買えばニーズが満たされるわけではないのが困りどころです。 特に音声アシスタントが厄介で、それぞれの会社ごとの特徴や、周辺機器連携があったりして難しい。

まぁそんなわけで現在僕の家のテレビのHDMIポートにはゲーム機以外にも様々なストリーミング端末がぶら下がっており、非常に混沌としています。

そんなストリーミング端末を個人的にまとめてみました、という記事です。

混沌としたリモコン。Siri Remoteは第2世代を別途調達したので2つある。
混沌としたリモコン。Siri Remoteは第2世代を別途調達したので2つある。

まとめた表をドンッ!

Chromecast with Google TV (4Kモデル) Fire TV Stick 4K Max Apple TV 4K 第2世代 PlayStation 5 (デジタルエディション) OLED55G1PJA (有機ELテレビ)
メーカー Google Amazon Apple SONY (SIE) LG
参考価格(割引なしで新品を買ったときの値段) ¥ 7,600 ¥ 6,980 ¥ 19,800 ¥ 49,478 ¥ 189,800
搭載システム(OS) Google TV (Androidベース) Fire OS tvOS ? (独自OS) webOS
音声認識 ◎ (Googleアシスタント) ◎ (Alexa) ◎ (Siri) △ (?) 〇 (Alexa, Googleアシスタント)
キャスト(YouTubeなどのChromecast) △ (YouTubeのみ) △ (YouTubeのみ) △ (YouTubeのみ) △ (YouTubeのみ)
AirPlay × × ×
Miracast × × × ×
個人的に使うサービスの対応状況
YouTube
Twitch
ABEMA × ×
Amazon Prime Video
Apple Music × ×
ホームで動画配信サービスの最新情報が見れるか △ (Appleサービスのみ)
リモコンの使い勝手
リモコン同梱 Yes Yes Yes No (¥3,000くらい) - (テレビなので…)
ショートカットボタン(YouTubeアプリとか起動できるやつ) YouTube, Netflix Prime Video, Netflix, DAZN, ABEMA なし Disney+, Netflix, Spotify, YouTube Netflix, Disney+, Prime Video, U-NEXT
テレビ操作できるボタン(電源ONとか音量操作とか) 電源ON, 入力切替, 音量上下, 消音 電源ON, 音量上下, 消音 電源ON, 音量上下, 消音 電源ON, 音量上下, 消音 - (純正リモコンだから当然なので)
電源 乾電池 乾電池 充電式 充電式 乾電池
リモコンの質感 プラスチック、ちゃちい プラスチック、ややしっかり アルミニウム、高級感ある、角張ってる プラスチック、比較対象中いちばんちゃちい プラスチック、THE・リモコン

各機材の寸評

Chromecast with Google TV (4Kモデル)

Chromecastは当初は「Cast SDKを使うことでスマホとテレビを繋ぐ周辺機器」であって、Chromecast単体ではほぼ使えない製品だったものが、 Google TVのシステムが導入されたことで単体でもアプリを動かせたり出来るようになりました。

Cast SDKは、動画や音声の再生をCast対応機器(Chromecastも含まれます)で再生させるもので、 Miracastのような画面をミラーリングする仕組みとは異なりスマホの電池が異様に減ったりしなかったりします。 テレビ向けアプリ開発不要で大画面対応が出来るのでアプリ開発者に優しい。だけどChromecast限定(詳しく言えばCastSDK対応機器だけ)、って感じです。

加えて、Google TVベースになったのでAndroidアプリが動作するようになり、 テレビ向けアプリとしてAndroidアプリ開発をすればVODサービスが対応出来るので(開発しやすさは置いといても)参入障壁は低いです。よって対応サービスも多い。

まぁそういう所から立脚した機材なので、スマホ連携、特にAndroidデバイスとの連携に強みがあります。 ただし、そういう歴史故にまだまだスタンドアロン機材としてのOSの完成度は物足りなさがあります(Android TVというかGoogle TVとしては歴史あるんですがね)。

Fire TV Stick 4K Max

Fire TV StickはAmazonの各種サービスとテレビを連携するための機材で、Prime Videoにめっぽう強いです。 しかし、Android OSベースのFire OSなのでアプリの開発が容易であり、デバイスがもともと安価かつタイムセールで更に安いってことで、一家に一台以上あるんじゃないかと思います。

故に各種VODサービスの対応状況は良好で、こだわりがなければこれ1つでいいんじゃないかなって感じです。

僕も最近まで誤解していたのですが、Fire TV StickはAndroidベースだけどGoogle認証が通っているAndroidデバイスではないからGoogle Play Storeは使えず、 むろんCastSDKもサポートしていないので、Chromecastのようなスマホの子機感覚で使うことは出来ないということです。

Apple TV 4K

※ 我が家では第2世代を使っていますが、アフィリエイトに掲載した商品はたぶん第3世代です。

ChromecastとFire TVを使い分けてウンウン唸ってたんですが、「そういえばApple TV試してないな」となったのでメルカリで買った。 これはHDMI端子一体型ではなく、いわゆるセットトップボックスの形式です。それ故に筐体サイズが確保されているので廃熱と性能が良好。

Apple TV 4KはSiri Remoteというリモコンが付属するのですが、これが他のストリーミング端末と比べて高級感が凄い。さすがiPhoneの会社だ! しかも第1世代はトラックパッド式!操作しづらい! よって第2世代 Siri Remoteを買ったのであった、メルカリで。第2世代 Siri Remoteもタッチパッドなんですがボタンも併用って感じでだいぶ操作しやすくなりました。 (なお第3世代 Siri Remoteは充電端子がUSB-Cです)

Apple TVは当然Appleのストリーミングサービスに強みがあります。つまりApple TVとApple Musicです。 (ゲームや写真も推しているけれど、ゲームするなら別の機器つかうかな。。。)

よってこれらのサービスのヘビーユーザーだったり、iPhoneなどを使いこなしているなら最高の機材だと思います。 いっぽう僕はスマホがAndroidをメインに使っていてGoogleに魂を売っているので・・・。

映像の美しさは今回見てきた機材の中で一番な気がしました。というかフォントがmacOSやiOSのそれなので。 そういう全体的な調和がしっかりしているのは、さすがAppleって感じです。

サードパーティアプリはiOSと同様の開発が出来るので、参入障壁が低いからVODサービス事業者のやる気次第ですが幅広いと思います。 一方、Apple TVでのみ、Twitchアプリを長時間使うと日本語(漢字)が欠落していく不具合がありました。 まぁTwitchアプリの問題なんですが、他のプラットフォームではそういうことがなかったことを申し添えておきます。

PlayStation 5

Apple TVがOKならPS5もセットトップボックスや!ってことで比較した。

実のところPS3の頃からストリーミング機器としてのPlatStationという売り方をしていて、リモコンも別売してたりします。PS5も例外ではないです。 まぁテレビは家族みんなで使うから、ゲームしない親御さんへの理解を得るにはいい方法だと思います。

PS5は他のプラットフォームと異なり、アプリケーション開発が非公開である為か、本来あってもよいはずのVODサービスがなかったりします。 例えばABEMAは、あってもいいはずなのに非対応です(でもU-NEXTとかは対応してたりするんだよな)。

今回比較した機材の中では、アプリを動作させるという意味ではもっとも性能が高いはずです。 よって操作感は非常に良いです。あと高品質なゲームで遊べるのもポイントが高い。

気になる点として、テレビの映像表現をゲーム向けに低遅延設定にしていたりすると、相対的に映画を見たときの画質が損なわれることがあります。 例えばFire TVが刺さっているHDMIポートでは映像向けのチューニングをしているのに、PS5はゲーム向けなので映像や音声の聞こえ方が完全に異なることがあります。 テレビの設定をいじればいいのですが、ゲームとビデオで良い感じに共存できなさそうで、そこがちょっと気になりました。

あと、ゲーム機なので消費電力がやや高め(っぽい)のも気になるところです。スティック型の機材と比較すると、そこがちょっと気になるところです。

OLED55G1PJA (LGのテレビ)

最後に、テレビ組み込みのシステムについても検討しました。

LGのテレビに搭載されているwebOSは、実はオープンプラットフォームらしい?詳しくは分からないですが開発キットは無料で取得できるようです。 なのでVOD事業者のやる気次第で色々対応出来るようです。

テレビのリモコンはWiiリモートみたいな感じでカーソルを操作できたり、テレビ組み込みなのでどこからでもホーム画面を呼び出せたり、 自宅の管理をするデバイスみたいな立ち位置でテレビをハブにしたサービスが色々連携できたり、 Amazon AlexaにGoogle AssistantにAirPlayに、って感じで何でも来い感あります。

「実はこれだけでいいのでは・・・」って感じはあるんですが、 操作してきた機材の中でUIのレスポンスは一番良くない感じがありました。残念〜

まとめ

まぁそんなわけでまとめたんですが、結局最高の1台はなくて、だいたい上から順にこんな感じで使い分けることにしています。

  1. まずApple TVで何かしら見る
  2. 地上波とかはテレビUIから遷移して見る
  3. 録画映像はPS5からtorneを操作して見る
  4. Cast SDKを使いたいときはChromecast
  5. Fire TVは・・・、うん、そうね

皆さんはどんな感じで使い分けていますでしょうか。ではでは。